Charaがここまで語った!26歳の妊娠発覚、ライブ中断……

デビュー25周年!Charaに聞く、子育てのこと、音楽のこと

1991年にデビューするや、それまでの日本の音楽界にはなかった独特のボイスや音楽、ガーリーな世界観が一気に話題になり、日本を代表する女性アーティストとなったCharaさん。映画『スワロウテイル』から生まれたバンド、YEN TOWN BANDは大ヒットし、自身の楽曲『やさしい気持ち』が収録されたアルバム『Junior Sweet』はミリオンセラーを記録。プライベートでは結婚、出産と、女性としてひととおり経験しながらも、音楽活動を続け、今年で25周年を迎えました。そんなCharaさんが『KiraraPost』に登場です!

Chara26歳の時の武道館ライブを1日限り上映!

――デビュー25周年おめでとうございます。長い活動期間の中で、ご自身のスタイルは貫きながらも新しい事にもチャレンジし続けているだけあって、20代~40代の幅広い層のママたちに人気です。

ありがとうございます! 25周年ってみんなやるし、私は年数とかこだわらないから、26周年記念でもいいんじゃない?なんて言ってたんだけど(笑)。でも周りの人たちが、オールタイムベストを作りましょうよ、って話をしてくれて。それで25周年記念イベントをいろいろやることになりました。まずは第一弾として、1997年にミリオンセラーを記録したアルバム『Junior Sweet』をリマスタリングした『Junior Sweet-25th Anniversary Edition』9月に発売して、お蔵入りになっていた1994年の武道館ライブを11月11日に1日だけ上映したんです。

――その武道館ライブですが、いろんな事情があって、これまでにDVD化することなくお蔵入りしたままだったと聞きました。かなり貴重な上映会でしたね。

そうなの。当時カメラを入れていたってことは、なんらかの映像として残すつもりではいたんだと思うんだけど、なぜお蔵入りになったかというと、いろいろあってね。まずライブの前々日ぐらいに、妊娠していることがわかったんです。なんか微熱が続くしだるいな〜って病院に行ってみたら発覚して。びっくりしたけど、若かったし、それにずっとお母さんになるのが子どものころからの夢だったから「イエーイ!」って(笑)。それで、あ、武道館ライブあるんだわ、って思ったんだけど、武道館が私の夢とか目指しているところじゃなかったし、そんなに気負うこともなかったんですね。

でも一方で、当時は、できちゃった婚はいいイメージじゃなかったから、事務所からも妊娠したことは絶対に周りに言っちゃダメって言われたりして、そういう保守的なところには私は疑問を感じていたんだよね。

――でも妊娠がわかったばかりで武道館にソロで立つとか、相当の覚悟がいったと思います。

そうなんです、だから武道館ライブは、お母さんになったことを自覚した日でもあった。どうしてもライブやるとジャンプしたり、たくさん動いちゃったりするし、ミニとかヒールの高い靴とか履いちゃうし。でも我慢できなくて、やっちゃってましたけど。妊娠したことをみんなに言いたくても言えなくて、だから、「本当はやりたくなかった」なんて本音を言っちゃったりして。

――号泣して、ライブが途中で中断されてしまったとか……。

当時の社長はね「これでもう終わりだ!」って頭抱えてました(笑)。まああとは、観てくれた人なら知っていると思うんだけど。これ普通に無修正のライブ映像だから、ドキュメンタリーなの。曲の部分を歌い直して編集とかしていないし。私は録画をもらっていたから家で観たんだけど、結構面白かったんですよ。今後、またみなさんに観てもらえるチャンスがあるといいんだけど。

――武道館ライブの時にお腹にいたのは、長女のSUMIREさんでしたよね。妊娠したよろこびを実感したのはいつごろでしたか?

そうそう、SUMIRE。私が26歳の時。正直、ステージを降りたあとのことはあんまり覚えてないし、もう22年も前のことだからよろこびを実感したのがいつかって記憶も薄いんだけど、でも若かったからマタニティーブルーになるよりも希望の方が大きくて、体力もあったし楽しい毎日だった。ただね、つわりが本当にひどくて、しかも長くて。

――それは大変でしたね。どうやって気持ちを切り替えていたんですか?

私ね、産休っていうものを1ヶ月も取っていないの。初めての妊娠で、どういうことがやれるのかとか、体はどこまでいけるのかとか経験がないでしょ。だからどうやって気持ちを切り替えるってよりも、もう仕方ないんだな、先生の言うこと聞いておこうって思ってた。でも私、経験しないとダメなタイプで、お腹の中に違う生命体を宿しながら歌うのってどんな感じなんだろう、って神秘的に感じていたから、妊娠中もライブをしたんです。3~4ヶ月のころと、8~9ヶ月の臨月の時、2回に分けて。

――それはすごい!

もともと乗り物に弱くて、そのうえ、ひどいつわりでしょ。当時はのぞみで移動するのにも時間がかかった時代で、だから地方にライブ行くのにも、移動中の新幹線で吐きまくってて。周りのスタッフたちはすごく気を使ってくれるんだけど、それも自分の中でイライラしちゃうわけ。私、大丈夫よ。妊婦だからって気を使わないでねって。

ステージの上にもこっそりゴミ箱みたいなのが用意してあって、え?私にステージの上で吐けっていうの?って片付けてもらって。かっこ悪いのがイヤだから(笑)。
25周年記念イベント第3弾として11月16日にリリースしたオールタイムベスト『Naked&Sweet』のディスク1の最後に『TinyTinyTiny』って曲を入れたんだけど、これはSUMIREがお腹にいて臨月の時にレコーディングしたんです。このアルバムは3枚組なんだけど、それぞれに私なりの区切りと歩みがあって、ディスク1はデビューから独身時代、妊娠するまでに発表した楽曲をセレクトしています。

子育てってあり得ないことの連続で、毎日心配でした。

――『Naked&Sweet』の1枚目のディスクの最後にも収録されている『TinyTinyTiny』を当時レコーディングして、産休に入ったということでしたが、出産は大変でしたか?

まあそりゃあ出産は大変だろうし、でもそういうものだと思っていたから、とくにこうだったというのはないんだけど。うちは2人とも自然分娩だったんだけど、20年ぐらい前は、小さく産んで大きく育てるというのが流行っていたから、だいたいみんな3,000g以下の赤ちゃんが多かったんじゃないかな。そういうのも時代とともに変わってくるよね。流行もあるし、医学も進歩しているから。昔は、赤ちゃんに日光浴させなくちゃ、なんてよく外に連れて行って太陽に当ててたけど、今は紫外線が危険だったりして。

――本当ですね。時代によって、出産や育児の考え方は随分変わりますよね。初めての出産の直後の気持ちって覚えていますか?

正直、もう22年も前だから忘れちゃってるけど、生まれてすぐにカンガルー抱っこして写真撮ったのは覚えています。出産のこととか病院選びとか初めてでわからなかったから、私、大きい病院で産んだのね。そうしたら、カーテン越しに陣痛に苦しんでいるお母さんが3人もいて、うめき声とか聞こえるわけ。大声で苦しがっている人もいれば、静かに耐えている人、色々で。それでね、たまたま当時住んでいた地域にあったパン屋の奥さんが隣のベッドにいたもんだから、生まれた直後は、その奥さんとカーテン越しに話した、って記憶がある(笑)。その奥さんは3人目ぐらいの出産だったから、色々きいたりして。でも、私はそれまでのつわりがひどかったというのもあったし、臨月になると思うように動けないしトイレも近いしで、産んじゃったらもう天国だった!

――初めての子育てはどうしましたか?壁にぶつかったことはありませんでしたか?

よく言われるように、夜泣きには悩まされたかな。当時の旦那さんも子育てが初めてだったし、2人で「どうやっても泣きやまない」ってバトンタッチしながら、夜中もずっと抱っこしていたことがあったような気がします。人間の子どもって手がかかるなあ、って思った。最初はなにもわからないから、一生懸命になりすぎちゃったんだろうね。そのうち慣れてはきたけど、産後すぐは結構疲れちゃっていましたね。

――なにか思い出に残るエピソードはありますか?

すごいことがあったの!私って結構神経質だから、娘が泣くたびにすぐに抱っこしてたんだけど、ある時頑張りすぎて、娘を寝かせたあとに自分のベッドに行って倒れるように寝ちゃったわけ。当時、ベビーベッドはリビングに置いていたから、夫婦の寝室と分けていたんですね。そして朝方の4時半ごろだったかな、娘の泣き声で起きて、しまった寝ちゃった、って思ってリビングに行ったら、なんか様子がおかしい。それで調べてみたら、いろんなものが盗まれていたんですよ。つまり泥棒に入られちゃったわけ。

――え、家の中にいたのに!? それは怖かったですね。

そうなの。マンションはオートロックだったんだけどね。なんかその日だけたまたま、玄関の鍵を閉め忘れてて。家族にケガがなくて本当によかったんだけどね。でもさ、まあ泥棒に入られることはなかなかないんだけど、子育てってあり得ないことがたくさん起こるよね。たとえば、エレベーターの扉に娘がちょっと手を置いただけで、スーッと持ってかれそうになったり。あとは娘が3、4歳のころだったかな、一緒にお風呂に入っていて、もうあがるっていう時に危ないから湯船の栓を抜いておいたんだけど、私が濡れた髪をちょっと束ねる一瞬の隙に、娘の手が排水溝に吸い込まれそうになったり。「あららら!」って慌てて手を引っぱったけど。それで、娘にある時「あたしトイレにも流されちゃうの?」なんて聞かれたして(笑)。でも子どもって、本当になにが起こるか心配。大きくなった今も心配だけどね。

――ところで、11月16日にリリースされた3枚組のオールタイムベストアルバム『Naked&Sweet』ですが、3枚のディスクそれぞれにテーマがあると聞きましたが。

そうなの。1枚目は私のデビューから独身時代、妊娠までをまとめたディスクなんですが、次の2枚目は、結婚して子どもが生まれて、夢だった家族を持った幸せな時代をまとめています。子育てもこの時期。3枚目はそれ以降からいまにいたる、って感じで。

――改めてご自身のデビュー時代からの楽曲を聴くと、当時のいろんな記憶が蘇ってくるものですか?
1枚目とか昔の曲を聞いていると「あ、私こんな歌い方してたんだ。そういえばいまはこんな声出せてないな」とか気づいたりします。2枚目の時期はいろんな夢が叶ったし、『やさしい気持ち』とかアルバムがヒットした、無敵時代だった(笑)。あとは、息子が生まれた時に作った『大切をきずくもの』なんかも入っていて、私自身も一番ガーリーだったと思う。3枚目の1曲目『初恋』は、妹が失恋した時に作ったりして。やっぱりいろいろ思い出しますね。1曲1曲にもちろん意味があって、大切に歌ってきたから。きっとみんなも知ってる、懐かしい曲がたくさん入ってるんじゃないかな。

つづく。

『Naked & Sweet』
デビュー25周年の、初のオールタイムベストで、デビューから現在に至るまで、レーベルの枠を超えて厳選された代表曲45曲を3枚組にして収録。

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「chara 25th Anniversary」オフィシャルサイト

フリーライター。出版社や編集プロダクションを経て、2002年よりフリーランスのライターとなる。雑誌や書籍にて俳優、タレント、アーティスト、文化人や専門家などのインタビューを中心に執筆。これまでにインタビューした人数は約800人。

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